指の伸展機構

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指の伸筋腱は基節骨遠位部背側で次の3つに分かれます。
@ 中央帯 - 中節骨の近位端背側に付着
A 橈側の側帯 − PIP関節橈側を越えて中節骨上で集まり末節骨の近位部背側に付着
B 尺側の側帯 − PIP関節尺側を越えて中節骨上で集まり末節骨の近位端部背側に付着
指伸筋腱が前述した3つに分かれた部分よりやや近位(基節骨中央部背側)では薄い筋膜の層が外側(橈尺両側)へと伸び、骨間筋と虫様筋を包むフードを形成します。
前述した伸筋腱AB(側帯)は、指の伸展装置を形成するために手内筋(虫様筋と骨間筋)と合流します。
それぞれの側帯は骨間筋腱の半分と合流します。
さらに遠位ではそれぞれが基節骨背側で虫様筋腱と合流し、伸筋展開部の側帯とともに中節骨および末節骨に付着します。

手内筋との協同作用なしで純粋な総指伸筋のみの作用では、MP関節の伸展とDIP・PIP関節の屈曲が起こります。
これは、伸筋の自動的牽引と深指屈筋の他動的牽引によるものです。

指の伸展は長伸筋群と手内筋との協同作用を必要としますから、PIP関節の伸展は前述した3つの要素(@AB)の共同作用として起こります。
伸筋腱の中央帯@は中節骨基底部に付着し、2本の側帯ABはPIP関節の両側を通り中節骨の中央より遠位で合流して最終的には末節骨に付着していることは前述しましたね。

中節の伸展は中央帯でなされ、末節の伸展は2本の合流した腱によります。
中央帯および側帯の長さは、指を効果的に伸展するために平衡がとれていなければなりません。

PIP関節が伸展するのに伴い、側帯は背側に移動して双方が近づきます。

中手骨の遠位端で伸筋腱は筋膜のように平らになり、基節骨を包むフードを形成します。
このフードは、基節骨を包んで横中手靭帯に付着します。

手内筋は手の掌側から起こり伸展装置の背側へ進みます。
それらはMP関節の運動軸よりも掌側を通るのでこの関節を屈曲させ、PIPおよびDIP関節の運動軸の背側を通るのでこれらの関節を伸展させます。
PIP関節が伸展されると斜支靭帯が緊張し、DIP関節が伸展します。

カリエの痛みシリーズ「手の痛みと機能障害 原著第3版」レネ・カリエ著 荻島秀男訳:第2版第3刷,医歯薬出版,東京,1988

 
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